月報212号(英教史)

日本英語教育史学会の月報212号を発行し、発送を終えました。抜粋はここ

EDITOR'S BOX ▼専修大学での例会翌日に、神保町の古書街をうろうろするのが楽しみの一つです。G図書で求めた福原麟太郎『英文學の修業』(研究社, 1929)の目次の中に、「廣島にてU君へ」というタイトルを見つけました(「え、僕?」...そんなわけありません)。U君に宛てた書簡の形で綴られた文中に、向宇品の公園や本通りのことが描かれており、ただそれだけで嬉しくなります。▼廣島にU君を訪ねた福原氏は、車中でディヴィッド・グレイスンの随筆「人はその属するところに属すべきこと」を読み、人間は戯曲的夢想にあざむかれて愚を演ずる(なろうとしたり、手を出したり。納まっていればいいものを)と書いてあるのに同感した、と語ります。「そこで、君は何に本当に属していると思うんだね」と突然尋ねるU君。福原氏は得意気に語ったことを後悔し、「僕はやっぱり君のように深い人生を掴んでいないんだと思った」と書いています。▼今回もまた福原先生に、足元の大切さを教わったような心持です。気が散ってばかりで本来の締め切りに集中できない私の日々を、反省することしきりです。私は私の仕事を、地道に続けるしかないですね。(U)