英語教授法集成

Erik氏から古書店に出てるよ、とメールをもらったのが28日。すぐに図書館から手配してもらい、昨日古書店から到着。登録が済んで、今朝から私の研究室に。

枩田與惣之助『英語教授法集成』開明堂, 1928.
これはハードカバーだけれど、薄い紙を袋とじ印刷したもの。しかも手書き。冒頭16ページは序文、参考書一覧、目次。続いて454ページにわたる本文。付録に浜松第二中学校の「英語学習のヒント」というプリント5枚と、文部省英語教授法調査会報告書16ページ。
日本の洋学史・英学史に始まり、日本そして欧米諸国の外国語教育史を諸説を交えて詳説する。続いて英語の教材論、教授法、さらには英語科に関わる各種各論へと続く。教科書論、教師論、担任論、教案論、設備論などもあり、他学科との関係についても論じている。これはじっくり研究しなくては。
さっと設備論に目を通してみると、当時の理想的な英語特別教室、研究室、教具について書かれている。防音された孤立の一棟に教室と研究室が隣り合い、図書ほか様々な教具、特にレアリアの教育を充実させるものを多数揃えることが求められている。
NACSISで検索した限りでは、この本は日本にわずか2館、関東と関西の大学図書館にしか収蔵されていない。国立国会図書館にもない。私費で買おうかどうか迷ったが、広島高等師範を出た著者のこの大著が広島の公的な場に無いのは寂しいという大義もあって、全国で3館めとなる図書登録を依頼した(と書けばカッコいいよね。ホントは懐事情が私費購入を許さなかった・・・)。
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レアリアの教育について少し考えてみたいと思っている。最新の視聴覚機器にも関心はあるが、それは言葉とともにその実物や背景を学び、ことばの深さや教養を得る手助けをしてくれる道具、というふうに考えている。デジタルであれアナログであれ、風物とかレアリアといったものを扱う分野には、とても興味を覚える。
私費で届いたのが
岩崎民平・中内正利・芹沢 栄『英米風物事典』研究社, 1960.
実は上の『英語教授法集成』は、3名の著者の先生のお一人(たぶん)の蔵書印が押されている。偶然だな。
大修館のスタンダード英語講座に含まれている『イギリス風物誌』(P. ミルワード著)も欲しくなって、日本の古本屋で12巻セットで一番安く出ているのを買った。これは昨日届いた。
期末試験を作らなくてはいけないのだけど、どうもこっちが楽しくて・・・。