小さな辞書の続き

umamoto2009-06-22

小さい辞書の続編。ほんとうにポケットに入って、ちょっとしたときにいつでも参照できて、発信に役立つ英英辞典、ということになると、なかなかこれと言ったものが見つからないかも知れない。
先日の『英語学習語彙』はいい線いっている。その線で今日は手元の2点を取り上げる。
1) Oxford Keys English Dictionary. OUP, 1980. (General consultant: A. P. Cowie)
2) 菅沼太一郎・J.B.ハリス(編)『旺文社ショーター英英辞典』旺文社, 1982.
前者は17,000、後者は15,000語を収録したとある。一見して分かる特徴は、
1) [C][U]の表記が充実。Hornby以来の伝統か。
2) 各語に学年別レベルの表示。(1)から(3)は中学、(4)から(6)は高校、(7)は大学教養程度。これは、菅沼氏が『統計的研究・各学年別中学標準英単語』(慶文堂, 1935)や『重要度を示した標準高校英単語集』(研究社, 1953)などで成果を世に問うた、膨大な教科書調査を思い起こさせる。語義にも中学レベルと高校レベルの違いが[J][S]として示されている。
この2つの辞書は、いずれも厚さは1センチ程度だから、いわゆる学習英英辞典ほど用例は充実していない。だが、定義は全て英語なので、これを上手に使えば、いつも携帯して発信を豊かにする道具として重宝しそうだ。
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小さい辞書。かつて『英學史論叢』にこんな文章を書いた。
http://tom.edisc.jp/research/t010.pdf
これが4年前。月日の経つのは本当に早い。
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昨日は日本英語教育史学会の第221回月例研究会。今回は出席が叶わず、181回以来の連続参加記録が途絶えてしまった。昨日の14時はなぜかそわそわした。今回も興味深いテーマだっただけに、上京できなかったことを残念に思った。
月報のためのデータは、またまた若い幹事諸君にお世話になった。頼もしい若手が多数集うこの会は、これからがますます楽しみだ。