三都物語

 日曜日の京都例会は、とても刺激的な2本の発表。どちらも私の問題意識にズバッと響いた。
 明治初期の和歌山に設立された私学校。庄原英学校との共通点がいくつもあり、非常に興味を引かれた。各地域の学校史を研究する会員が団結すれば、全国的な規模での全容解明に迫れるのでは、とワクワクした。こうした共同研究もありだな、と。
 赤尾の業績。「痒いところに手が届く」英語教育のノウハウがそこにある。それを共有する仕組みを作っていけば、今の「隔靴掻痒」感があるかも知れないところを解決する、大きな示唆が得られると感じた。垂涎ものの資料展示にも感動! 
 敬愛する発表者お二人を囲み、各地から集った会員仲間と飲み語る楽しみは格別で、あっという間に時間が過ぎた。
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 その後は翌日の調査のため、新大阪へ移動。駅を出ると途端に静かになるこの街で、私たちの抱える諸問題を協議する大切な会議を持った。語りながら、よりも、語ったあとに、人生を深く思う不思議な時間だ。
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 月曜日は関西学院大学へ。図書館で広島の英学に関係する資料を閲覧する。ランバス、ゲーンズ、中山栄之助、フレイザー英語学校... こうしたキーワードを辿りながら、わがまちの明治期に思いを馳せる。
 帰り際にキャンパス内で開かれていた展示「EX LIBRIS(蔵書票)―夢二から現代作家まで―」を見る。この世界も魅力的だ。コレクター魂を刺激する。
 でも蔵書に書票を貼り続ける根気を持ち続けるのは、至難の業だな、と思う。