台風の日に学習英文法

外は荒れ模様。おかげでちょっと考える時間を持つ事ができた。敬愛する先輩が追い求めていた「学習英文法」について思いを馳せてみる。

中学英語の文法を再入門するために良い参考書はないだろうか、と探している。昔読んでいた『中1コース』の試験前付録のような、コンパクトで見やすく、親しみの湧くような参考書に出会えないものか。最近書店で買ったのは『くもんの中学英文法』。すっきりしたレイアウトに親しみが持てる。

昔(と言っても昭和30年代くらい)だったら、佐々木高政『英語の学習20の階段』か。「文法以前のところから説明の筆を起し」とあるように、読んでいるとなんだかスススと頭に入ってくるような気がする。

もっと昔の人だったら、どんな参考書で再入門をしただろう? 「中学英語の易しさで」という限定をして、探してみようと思う。

ふと、大正期の検定教科書が目に留まった。ページを繰ってみる。大正11年発行の、Okada's Middle School English(開文社)。著者は広島出身の岡田實麿(田山花袋『蒲団』の主人公のモデル、岡田美知代のお兄さん)。

Book One を見ると、各レッスンに丁寧な文法解説が付いている。例えば Lesson 6. 
解説 
1.始めて話題に上りたる名詞には a を附するも、続いて再び之を用ふる時は the を用ふ。
   It is a book. Where is the book?
2.a, an the を冠詞(Article)と云ひ、名詞に附して用ふ。the は「この」「あの」「その」の意なり。
[注意]始めて話題に上りたる名詞にても「この」或は「その」の意を含めて the を用ふることあり。
   It is on the desk.

こういう解説は、僕の学んだ教科書にはなかった。あれば中学英語の再入門に、もっと役立ったかも知れない。今使われている教科書にも、もちろん、ない。現行のものはカラフルすぎて、ごちゃごちゃしてて、見やすさからはほど遠い、と思う。

話があちこち行ってしまった。要するに、中学英文法の再入門によい書物を探しながら、学習英文法を考えてみたい、ということ。