英教史:第205回例会

昨日は日本英語教育史学会の第205回例会。
http://d.hatena.ne.jp/umamoto/20070827
7月が台風で流れたため、久し振りの開催。部屋が一杯になるほどの大盛況でした。
2本の発表はそれぞれに刺激的で、私自身の問題意識に照らしながら聞くと、これからのヒントが散りばめられていたように思います。
◆山田氏の発表では、「言語はツール」ではだめだ、という氏の主張が印象的でした。ソシュールの後期を読んで、考えを深めてみたいと思います。
◆平賀氏の発表を聞きながら思ったのは、ある言葉が日本語に訳されたときの概念の変化について。たとえば「翻訳」という「両方向性」を持つ言葉と、「訳読」という「一方通行」の言葉。もう一方(日本語から英語へ)の訳をすることを表す便利な言葉、つまり「訳読」と対になるような言葉はないかな、と。もしあれば、作ってしまえば、Grammar-Translation Methodを巡る諸問題の整理に役立つかと思いました。
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ふだんの授業では、
1.ディクテーション(これにも良い日本語が当てられないものかな)
2.復文(re-translation)
3.グループメソッド
という、明治・大正期から取り組みがなされている方法を、部分的に組み合わせて行うことがあります。
(後期のワークシートが楽しみ・・・)
英語教育史的には、これらの指導法がいつ頃からどのように始まったのか、さらに調べを進めてみたいと思います。