英教史:月報229号

日本英語教育史学会の月報229号を発行。冒頭のページはここ
今年度の全国大会は5月16〜17日。八王子の拓殖大学にて。大会プログラムはこちら
今回のEDITOR'S BOXです。

4月例会は若い学生さんたちで会場が一杯になりました。その中から少しでも、英語教育史に関心を持つ若者が現れることを期待しています ▼月報を担当して5度目の春を迎えました。編集者の楽しみの一つは、参加者の感想をパソコンで打ち込むこと。その過程で研究発表には様々な受け止め方があることを知り、視野が広がっていくように思います。今回は、その入力作業を若い役員に担当してもらいました ▼月報の感想記入欄には、末尾に編集部のメールアドレスが記してあります。その宛先にメールで送ってもらうと、編集者の負担はぐっと減るのですが、「後でメール」を選択された場合の提出率もぐっと下がるのが悩みの種です。かつて教育実習で訪ねた中学校で、「感想を求めるなら、時間を置かないほうがいい」とアドバイスしてくださった先生があったことを思い出しました ▼連休を間近に控え、年度初めの慌しさから少し解放されたいという淡い願望を持ち続けていますが、よく考えてみると、連休が無いと片付かない課題も山積しています ▼これらを何とか乗り切って、八王子での大会が充実したものとなるよう、しっかり準備をしたいと思います ▼日頃お目にかかる機会の少ない方々とお会いできるのも全国大会の楽しみ。5月16日の特別企画、17日の研究発表と、皆様とともに大会を盛り上げていきたいと思います。よろしくお願いします。(HB)

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(今回のブログは昨夜書いたものだが、ウェブ上で他のサイトを参照している間に、書き込み画面に戻れなくなり、消えてしまった。はてなにもGメールの下書き機能のようなものがあればいいのに、と思いつつ、でも自分が悪いのだから、エディタで書いて貼り付ける、という基本に返って書くことにする。)
PDFファイルをダウンロードして読む「電子版版」(もしくは「ウェブ版」)の月報だけでいいよ、と言ってくださる会員が急増し、印刷・封入・発送にかかる心理的な負担がずいぶん軽くなった。もちろん、紙版を郵送で受け取ってくださる方は、大切に読んでくださり、保存してくださる方もあるので、こちらも感謝の気持ちを込めて、お顔を思い浮かべながら、折る。かつての編集部の先輩たちが、必ず記念切手を貼ってくださっていた頃の細やかさには敵わないが、会員の皆様と学会とを繋ぐ気持ちだけは、受け継いだまま持ち続けたいと思っている。
もっとも、お会いしたことのない方の顔を思い浮かべることはできないが。
1年ほど前に、他のところで、次のような記事を書いた。

ゴールドフィンガーを支えるオロナイン

月に一度、右中指の腹をテカテカさせながら、紙を折る。今回はいつもの5倍の枚数。さすがのゴールドフィンガーもお疲れの様子。
写真のオロナインは指に塗るためではない。折り目の仕上げに、折った紙10部程度をまとめて圧縮する。そのときにオロナインの容器(陶器か?)の曲面を押し付けて滑らせる。
単一の乾電池がいいよ、と教えてくれた人があるが、僕はなぜかオロナインが手に馴染む。

オロナインの容器で二つ折を終え、今度はそれを封入のために三つ折。ふたたびゴールドフィンガーの出番だ。ここから先は、オロナインによる押さえは無し。ひたすら折って、封筒に入れ、封をする。
ふと、憑かれたように没頭している自分に気付く。さすがに疲れた。金、土、日、月と、かかりっきりだったな、と思いながら、ものすごく不安になる。
かかりっきりになれなくなったら、どうしよう?

今回、上のEDITOR'S BOXでも触れたように、編集段階で若い人の手を借りた。野口悠紀雄氏が「イナーシャ」という言葉を用いて述べた、書き始めの困難さが大幅に減った。
紙版の発送に関わる作業は、様々なことを思う大切な思索の時間であり、また、届く先の人に思いを馳せる貴重な機会ともなり、決して嫌いなわけではない。人に頼むことの負担や完成度のことを思うと、自分でやったほうが楽、と思うことも多い。
だが、引き継ぐための準備は、組織として必要な危機管理、という気もする。
こんなことを思いながら、今回の作業を終えた。