LE PRETRE ET SES DISCIPLES

倉田百三出家とその弟子』のフランス語訳 LE PRETRE ET SES DISCIPLES(1932)が届いた。序文はロマン・ロラン(Romain Rolland)。

欧亜(ユーラシア)芸術界の最も見事な典型の一つで、これには西洋精神と極東精神とが互いに結びついてよく調和している。この作品こそ、キリストの花と仏陀の華、即ち百合と蓮の花である。現代のアジアにあって、宗教芸術作品のうちでも、これ以上純粋なものを私は知らない。

上でイタリックをほどこした箇所のフランス語はこうだ。
Elle est la fleur du Christ et la fleur du Bouddha, le lys et le lotus.
フランス語の読めない僕でも、百合が lys で、蓮が lotus であることは分かる。
ロマン・ロラングレン・ショー(紅蓮 尚)による英訳 The Priest and His Disciples: A Play を読んで絶賛した。だが彼は、倉田百三の「百」と、グレン・ショーの「蓮」の字が、それぞれ lys と lotus を表す日本語に結びつくとは、思いもしなかっただろう。
「百」と「蓮」。発見してしまった僕は、単なる偶然に過ぎないこのことを、自慢げに講座のネタにしてしまうのでした。