英教史:第213回月例研究会 / ペリーとハリス

日本英語教育史学会の第213回月例研究会に参加。このところコンスタントに20名を超える参加者があって、昨日も盛況だった。
最初の発表では宮田幸一『教壇の英文法』がテーマ。やがて活字になるので、詳細は省く。ただ一つ、何年か前に「宮田のこの本は初版と改訂版とでは別物というくらい違っていますよ」と教えてくれたのが、今回の発表者氏。その2冊を携えて発表を聞き、宮田氏のライフワークにかける情熱を改めて知った思いがした。
面白い発表だった。図版を多用した資料も素晴らしい。「座談の名士」として知られる発表者氏の論述は、やがて宮田を検証する著書としてまとめることを意識したような、歯切れの良さと流れの見事さ。カラー版の進呈を受けて永久保存版とする。
二番目の発表は英語教育政策。目的論や財界との関係に思いを巡らせながら、ひとりの学習者であり教師である自分がこうした問題とは距離を置いてきたことを痛感した。フロアから「政策の具体化」に関する指摘があった。それを聞いて、少し「距離」が縮まった気がした。
181回から月例研究会の皆勤を続けているが、夕刻からの「懇親会」は連続参加記録が途絶えてしまった。残念!

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ペリーとハリス

【英学徒の隠れ家日記より】

週末の東京出張は、日本一大きな図書館での資料収集と、日本一古い英語教育の歴史を語る学会とで、とても充実したときを過ごした。たまたま宿泊地近くの博物館で、英学史にゆかりの資料展示が行われていたので、足を運んでみた。
http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/

刺激的な展示だった。日米和親条約日米修好通商条約の原本は、本邦初公開とか。今年は修好通商条約150年。

入り口すぐの展示が「捕鯨銛」というのも印象的。それがアメリカのモティベーションだったはずなのだが・・・。

さて、前回東京へ出かけたときは、国立科学博物館ダーウィン展。
http://www.kahaku.go.jp/

首都東京の巨大な図書館や博物館を訪れるたびに、この都市の豊かさを思う。

歴史の保全と啓蒙にエネルギーを注ぐことは大切なことだし、そのために大きな箱物が必要なのも分かる。でもそれらのあまりの大きさに戸惑い、ちょっと引いてしまう僕がいる。そんなことを思った。