英学史:第59回支部例会終了

土曜日は今年度第2回(通算59回)の研究例会(プログラムはここ)。新しくてとてもきれいな会場で、人数は少ないながら、大変盛り上がった例会でした。
私の発表は、故妹尾啓司先生から寄贈して頂いた旧蔵書「妹尾文庫」(以下「文庫」)について。昨年ご遺族から寄贈を受けた「第二期」文庫の一部を紹介し、その活用法について提言を行いました。
個人の蔵書には、ご自身の蒐集テーマがあり、それを読み解く楽しみがあります。また、利用者が独自のテーマを設定し、必要な資料を「文庫」に求めるとき、文庫と相性の良いテーマであれば、文庫はそれこそ「宝の山」と化します。
私も、妹尾先生が備後地方で蒐集された、多くの書写手本(小学校「書き方」の検定教科書)の発行・出版・販売所の中に、英学書を扱った地元書肆の歴史をみてとるテーマを見つけました。
そしてもうひとつ。
英語教科書類をまとめて寄贈してくださった「第一期」の妹尾文庫は、この例会をきっかけに庄原で預かることになりました。ダンボール4箱分を受け取ったのが1週間前。この中に、また見つけてしまったのです。森修一の『独案内』。
少し前に、ある図書館が所蔵している版の全ページ複写分も届いており、いろいろと見比べた結果、版ごとに刷りを重ねただけでなく、わずかながら「改訂」が行われていることが明らかになりました。
このあたりの分析にはもう少し時間をかけたいと思い、草稿段階にあった論文の提出を、もう少し時間をかけることにしました(と書けばカッコいいのだけれど、ホントは時間と体力が切れたのです。情けないけど・・・)。