英学史:ニューズレター57号

日本英学史学会中国・四国支部ニューズレターNo.57を発行。週末にウェブ配信と印刷版の発送を終えて、ほっと一息。
今回の「広島英学史の周辺(23)」。

訪れた先での古本集めを細々と続けています。年明けに神保町の小さな古書店で手にしたのは、Richard Grant White著、Every-Day English.(Boston: Houghton, Mifflin and Company)、500円。出版年は1897年、コピーライトは1880年。A Sequel to “Words and Their Uses.”とあり、前著の続編であることが分かります。内容はSpeech, Writing, Grammar, Words and Phrasesの4部構成。明治の英学者がこの書を手にしたのだろうな、と思いを馳せています。ふと扉に目をやると、「斎藤」の蔵書印が。もしや・・・▼年末には大学一年生対象のリレー講義「地域の理解」を一コマ担当しました。テーマは「学校史から見た広島の英学」。県下には100周年を越えた高等学校が数々ありますが、それらの前身となる中等学校で行われた英語教育のほんの一部を、いくつか例を挙げて話しました。学生諸君の感想には「明治期から英語が教えられていたなんて驚いた」というものが多く見られます。昨年度の「庄原英学校130年」に続く2度目の担当ですが、この講義を通じ、「一番の勉強」をしたのは、きっと私です。英学についてもっと学び、若い世代にも伝えていきたいと、決意を新たにしています ▼新しい米大統領が誕生し、世界が新たな一歩を踏み出すことを予感させる、そんな新しい年です。“The time has come to choose our better history.” “We are the keepers of this legacy.” こうしたhistoryやlegacyのことも、英学史の研究を通じて考えていきたいものです ▼今年もどうぞよろしくお願いします。(馬)

今回の編集事務の前から慌しくしていたので、本当に久し振りのブログ更新となった。しばらく書かない日が続いたら、忙しくしているな、と思ってもらえれば嬉しい。(そんなことばかり続いているけどね)
この仕事が終わったら、今度は英教史の月報。恒例の3月広島例会も楽しみだ。


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バーンズ・ナイト 【英学徒の隠れ家日記より】

スコッチを愛する英学徒にとって、ロバート・バーンズ(Robert Burns)の名前は特別な響きを持っている、と思う。今から250年前の1月25日に生まれた彼は、酒を愛し、Auld Lang Syne(蛍の光)ほか多数の詩を残した。
たまたま今日は、久し振りに近くの書店まで歩き、土屋 守『ウイスキー ちょっといい話』を手にした。そこで紹介されていたバーンズ・ナイト。昨日がバーンズの誕生日だったか。
ハギスとスコッチを味わい、彼の作品を朗読するバーンズ・サパーという催しは、世界中で催されるとか。日本ではどれだけの人が祝っているか知らないが、これは楽しそうだ。

□ tmrowing 2009/01/28 19:13
英学徒の末席にも居られませんが、バーンズを愛する気持ちは人並みだと思っております。
何と、一年に1,2回しかウイスキーを飲まない私ですが、25日はロイヤル・ロッホナガーを飲んでおりました!
今日、遅ればせながら自宅の夕餉で朗読したいと思います。

□ umamoto 2009/01/28 21:05
tmrowingさん、コメント有難うございます。Lagavulin に思い入れの強い私ですが、Royal Lochnagar、ぜひ一度味わってみたいと思います。
で、今日はいつものブラックニッカ。今度ぜひ、広島の生んだ竹鶴のスコッチ魂を語る「英学史的考察」にお付き合いくださいね。師匠K氏(東京の)とは、いつも竹鶴談義で盛り上がっています。