能海寛著作集 第13巻

お世話になっている先生から、出版されたばかりの能海寛著作集第13巻を寄贈して頂いた。能海の遺した手書きの英文(日記・機関誌)と、詳細な解説から成る。写真による復刻なので、能海の筆跡をたどって読み進めることができる。丁寧に施された解説は、明治中期の英学を知る大変貴重な資料だ。
もう5年も前になるが、英学史支部のニューズレター(No.37)に、能海のことをこう書いた。

例会で松江を訪ねたときに、能海寛(のうみ・ゆたか)研究会副会長の岡崎秀紀先生から膨大な研究資料を頂きました。島根県金城町に生まれ、広島の進徳教校、そして慶応義塾に学んだ能海は、仏教を世界に広めることを志し、英語を熱心に学んだといいます。チベットに渡ったまま消息を絶ち、二度と日本の土を踏むことのなかった彼の遺品の数々は、金城町の歴史民族資料館に展示されているそうです。その中には、彼の英文日記や、ナショナルリーダーの翻訳を筆写したものが含まれているとのこと。ぜひ一度、例会で伺いたいものです。

能海の生まれた金城の町を、まだ訪れていない。いつかは、と願い続けている。