国語世論調査

文化庁の国語世論調査の結果がネットやテレビで報じられている。こういう話題に接すると、それが「今どきの若者は・・・」という論調になっていないか心配になる。
http://www.47news.jp/CN/200909/CN2009090401000636.html
調査対象となる慣用的な表現は、ことばとの豊かな接触を重ねることで「自然に」身につくもの、と期待されているのかも知れない。が、世代を分かたず正しく使われなくなっているのであれば、自然なインプットからの「正しい」習得は望めない。こういうときにはやはり、ことばの教師が腕をふるわなくては。
おや、腕は「振るう」のか、それとも「振る」か?
前者の比喩的な「腕」は、ふるうのが適切なように思う。広辞苑にもそうある(振う・揮う)。
ならば、比喩的な「采配」だって、振るってもいいのではないか、と思ってしまう。
正しくは「采配を振る」と。これを間違って悔しかったので、こうして理屈をこねているわけだ。
でもまあ、こんなふうにことばの知識を確かめる機会を与えてくれた記事に感謝し、勉強の機会にしよう。
国語辞典を引き比べたら、今度は和英辞典で英語で何と言うのか確認する。老舗S社のコンパクトな和英には、「采配を振る」に相当する英語として command と direct が挙げられている。(←まだ負け惜しみ)