スペリングの話

 先週、恒例の生涯学習講座を終えた。今回焦点を当てたのは、ウェブスターのスペリング・ブックアメリカの子どもたちに発音と綴り字を教えるために編まれたこの書は、日本でも英語教科書として用いられ、明治の初期から様々な独習書も出された。例えば、明治6年訳言鈔や、明治18年独案内など。
 スペリング・ブックといえば、フォニックスとの関係も興味深い。フォニックスは児童英語教育の教え方、という印象が強かった。だが、フォニックスで学んでいるのは児童だけではないし、英語のスペリングで苦労している中高大生も多いわけだ。今回の講座をきっかけに、スペリング指導の歴史と実践について、もっと知りたいと思った。
 小学校で英語を教えるべきかどうかという議論は終わったわけではないが、「児童英語」が特別なものでなくなってきていることも確かだ。小学校での外国語活動は、いわば中学・高校・大学そして生涯学習へと至る一連の英語学習のスタート地点。子ども時代にその「地点」を経ていない僕の思いは複雑だけど、もはや避けて通れないだろう。だから、ここはやはり歴史と絡めて考えていくことにする。