CALLの歴史(その1)

コンピュータ支援の語学学習(室)、いわゆるCALLを英学史にどう位置づけるか。室に( )を付けたのは、CALLを Computer Assisted Language Learning とするか、あるいは最後のLをLaboratoryとするか、2つの立場があると思うので。区別するために、前者を「CALL学習」、後者を「CALL教室」としておきます。どちらもちょっとredundantな呼び方ですが。

LL(Language Laboratory)の歴史の延長線上にCALLを見る、というのが一般的ですが、これだと「CALL教室」の歴史で、なんとなくテクノロジーの発達から見た歴史という色合いになってしまう。もちろん、LLが生まれた背景には、そういう部屋でやると効果が上がるとされる語学学習理論があるわけで、そういうハード以前のソフトをひっくるめて「CALL学習」の歴史を考えてみたいところです。

技術は無いけど、考え方は存在する、ということは歴史上よくあることですね。コンピュータの歩みはまさに、こんなことができたら、という考えを実現させてきた歴史ではないかと思います。言葉の学問を見ても、コーパス言語学の考え方はコンピュータ出現以前からあったのですね。

ではCALLはどこまで遡れるのか。コメニウスあたりは視野に入れておきたいな、と考えているところです。ちょっと古すぎるかな。