英学史: ニューズレター49号

日本英学史学会中国・四国支部ニューズレター49号を発行しました。今回の「広島英学史の周辺」(15回目になりました)は以下の通り。
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 『西谷文庫目録』には、英米文学・語学の研究書、注釈本、辞書、リーダー、独案内や、解釈・文法・作文など英語独習書も含まれています。広島にゆかりの書物も多数あり、『日本英學物語』(定宗数松)や、『語原本位 英和辞典』(廣島中學校英語研究部)に目がとまります。▼この機会にと思い、西谷退三訳『セルボーンの博物誌』を古書店で入手。森下雨村による紹介文が掲載された出版チラシや、雨村に関する切り抜きが挟み込んでありました。そのほか、内容に関連したメモ、手描きの「セルボーンの博物誌参照地図」やoak treeの絵まで。元の持ち主がこの書を愛読した様子が伝わってきます。▼西谷は『博物誌』について述べたヂョン・バローズのことばを「まえがき」に引いています。「チビリチビリと少しづつ看るべき書である。舌の上でしゃぶりながら味ふべき書である。炉辺で静かに考へながら看て、その真味と身にしみるような味ひがわかる」「これは、性急、又は上気した事務的繁忙とは全くそぐはぬ書である」と。▼支部発足30周年。今年は少し、ゆっくりと時の流れる一年であれば、と願っています。(馬)