2009-01-01から1年間の記事一覧

梅雨明け前の青空

日本英語教育史学会の月報231号を発行。ウェブ配信と紙版の発送を終え、ホッとひと息。今日は久し振りに雨の無い一日。同僚と繰り出し、哲学からBCLまで、様々な話題で盛り上がる。以下は今回の月報の"Editor's Box"。 現在発行されている古書目録は、どのく…

外来語のない歌詞集

「日本のことばを大切にし、余分な外来語を排した」と評される歌人の、コンプリートボックス(...)を聴き続けている。歌詞集をめくると、カタカナ語が皆無というわけではないが、そのほとんどは、日本語としてすでに定着している。 それでも、僕の日常会話…

切手と英学

最近手に入れた『切手に強くなる本』(北上 健 著、番町書房、1963年)。 単なる収集ガイドではない。200ページを超える「世界の切手で見る一日一史」には、一年366日、各日付のもとに関連する切手の写真を載せ、その図柄にまつわる解説が付く。たとえば1月…

歴史をよむ

太宰治と松本清張が同い年生まれであることは、「生誕百年」なる記念の年になって初めて知った。ま、勉強不足ということだけど、なんだか不思議な縁を感じるこの頃だ。 この季節になると、桜桃忌はあちこちで話題になる。僕が太宰の「桜桃」を読んだのは、そ…

小さな辞書の続き

小さい辞書の続編。ほんとうにポケットに入って、ちょっとしたときにいつでも参照できて、発信に役立つ英英辞典、ということになると、なかなかこれと言ったものが見つからないかも知れない。 先日の『英語学習語彙』はいい線いっている。その線で今日は手元…

Reproductionを目指す

『英語教育』7月号で、Leslie A. Hill氏がお亡くなりになったことを知る。 昨日は「私をこの道へ誘った」書物の一つを取り上げたが、L.A.Hill氏の Intermediate Stories for Reproduction も間違いなく、誘ってくれた教材の一つだ。 手にしたのは中学3年の…

小さな英語辞書

文庫本くらいのサイズで、長く手元に置いている小さな辞書がある。今日の写真の『中学英語入門辞典』(稲村松雄編、小学館、1977年)は、私をこの道へ誘った書物の一つだ。 約650語の「中学入門単語」には、それぞれカナによる発音、語義、例文、イラストが…

ひろしまの英学

郷土の英学の歴史を調べる中で、私の地元にゆかりの方々の温かさに触れ、涙が出るほど嬉しくなることがある。 研究の途中段階をネットに掲載すれば、これまでお会いしたことのない方々からお手紙やメールが届き、貴重な情報を提供して頂くことも数多い。皆様…

英教史:月報230号発行

日本英語教育史学会の月報230号を発行し、ウェブ配信とメール便発送を終えた。今回の冒頭ページはここ。 「私の仕事」の中心となっている両学会は、なぜかどちらも5月が一番忙しい。今日は日本英学史学会中国・四国支部の紀要発送も終え、まさに燃え尽き症候…

英学史:今年度支部総会、第一回研究例会終了

昨日は今年度の支部総会と第一回研究例会。 今年も無事に『英學史論叢』を発行することができた。編集を担当して7回目の号。毎回神経を使ってクタクタになるが、完成品を手にするととても嬉しくなる。 総会に続く研究例会では、まず、豊富な資料で戦前の学習…

英教史:全国大会終了

日本英語教育史学会の全国大会が終了。素晴らしい環境のもと、充実の時間を過ごすことができた。大会会長と実行委員長の絶妙のコラボが光った。感謝! 事務作業の合間に、会のこれからについて議論を重ねることができた。若い仲間たちに加わってもらえる形が…

英学史:ニューズレターNo.58

日本英学史学会中国・四国支部ニューズレターNo.58を発行。昨夕に発送、今日の早朝にウェブ配信を終えました。昨夜庄原を発った郵便が、今朝には広島市内に届いた模様。さっそく月末の例会に出席するとのお返事がファックスで届く。 5月30日(土)の研究例会…

英教史:月報229号

日本英語教育史学会の月報229号を発行。冒頭のページはここ。 今年度の全国大会は5月16〜17日。八王子の拓殖大学にて。大会プログラムはこちら。 今回のEDITOR'S BOXです。 4月例会は若い学生さんたちで会場が一杯になりました。その中から少しでも、英語教…

英教史:第220回月例研究会

日曜日は東京の専修大学神田キャンパスで月例研究会。英文法をテーマにした若い研究者による緻密な発表と、聴衆との豊かな質疑応答。とても面白い研究協議の場となった。 文法用語を整理する際に、意味によってまとめていく場合と、形によって括られていく場…

英教史:月報228号

日本英語教育史学会の月報228号を発行。冒頭ページはここ。 新年度最初の月例研究会の案内はこちら。 今回のEDITOR'S BOXです。 広島の例会で使用してきた県立生涯学習センターが移転することになり、私たちにとって、この会場での最後の例会となりました。…

ナショナルリーダー年表

ニューナショナルリーダー独案内について、いくつか研究発表を予定している。そのための研究資料として、これまでに出版された独案内の年表作りをしている。まずは「近代デジタルライブラリー」に所蔵されているものを、画像リンクとともに年代順に並べてみ…

永江庄から庄原町へ

まさかこの本が手に入るとは思わなかった。庄原町制施行五十周年記念、昭和24年発行の非売品。復刻版は地元の図書館で手にしたことはあるが、原本に出会えるとは感激だ。 (庄原郷土誌編纂委員会・上原三衛『永江庄から庄原町へ』広島県庄原町, 1949.)もう…

英語教育史フォルダ

日本英語教育史学会のウェブサイトを更新し、新企画として「英語教育史フォルダ」をスタートさせた。 これまで月報で発信をしていたが、情報の新鮮さで勝負することを考えてみた。 このブログのプロフィール欄には、学会のウェブサイトについて、 「見かけは…

英教史:第219回例会(広島例会)

日曜日は日本英語教育史学会第219回研究例会。参加者21名。2本の研究発表と活発な議論が展開された。 最初の発表は、教え子の回想集をもとに一英語教師の実践をまとめたもの。戦前の沖縄で用いられた教材、例えば『岩波英和辞典』や『ニューネイションリー…

平和な街散歩

【英学徒の隠れ家日記より】朝からアストラムラインで市内中心部へ。用事を終えたら帰りは散歩。平和大通りを横切り、川沿いを北上して原爆ドームへ。さすがに天気の良い休日は、国内外からの観光客で賑わっている。目の前で始まったガイドさんの説明に耳を…

能海寛著作集 第13巻

お世話になっている先生から、出版されたばかりの能海寛著作集第13巻を寄贈して頂いた。能海の遺した手書きの英文(日記・機関誌)と、詳細な解説から成る。写真による復刻なので、能海の筆跡をたどって読み進めることができる。丁寧に施された解説は、明治…

喜界島

【英学徒の隠れ家日記より】来週の講座で『俊寛』を取り上げるので、安藤貫一氏の英訳とともに、俊寛の周辺情報にあたっている。 『俊寛』の舞台は「鬼界が島」。現在の硫黄島との説もあるが、他にも二島、名乗りを上げている。 http://ja.wikipedia.org/wik…

英教史:月報227号

日本英語教育史学会月報227号を発行。会員へのウェブ配信と郵送版の発送を終える。ふう。学会ウェブサイトでは、月報の一部を非会員にも公開している。今回の表紙ページとバックナンバー。学会のサイトは地味だけど、会員数が着実に増えているのが嬉しい。と…

庄原:第3回英語生涯学習講座

今年も講座を行います。3月3〜5日。詳細はこちら。百三作品の英訳を紹介します。 第一回、第二回に続き、英語を通じて、歴史や社会や文化を考えてみたいと思います。お近くの方は、ぜひ。、

Star Series

古書店では入手困難な明治・大正期の教科書『The Star Series of English Readers』。その第3巻をオークションで入手。大正3年の版。百年以上経っているとは思えないほど状態が良く、感激している。 この Star Series はかつて広島中学校で使われ、『英語…

日本英語學書志

英学史研究のための基本図書は数々あるが、荒木伊兵衛『日本英語學書誌』(創元社, 1931) は間違いなくその一つだろう。こうした基本書を個人の Library にも揃え、いつでも参照できるようにしておきたい、という思いで細々と収集を続けている。 幸い、この書…

英学史:ニューズレター57号

日本英学史学会中国・四国支部ニューズレターNo.57を発行。週末にウェブ配信と印刷版の発送を終えて、ほっと一息。 今回の「広島英学史の周辺(23)」。 訪れた先での古本集めを細々と続けています。年明けに神保町の小さな古書店で手にしたのは、Richard Gran…

今日は雪掻き

【英学徒の隠れ家日記より】深夜に宿舎入り。雪のため、駐車場の所定の場所まで進めず、入口付近に駐車。 山沿いは40センチ、平野部は20センチ、という予報が出ていた。宿舎は平野部にあるが、20どころじゃなかったな。まさに除雪車状態で、途中で前進する…

英教史:第218回例会

日曜日は、日本英語教育史学会第218回例会。通信教育をテーマに、多くの資料を駆使し、未開拓の分野に切り込んだ、とても刺激的な発表だった。 通信教育の学びが雑誌講読と異なるのは、そこに「双方向性」があるから、との発表者の指摘を聞いた途端、「なら…

富士とタワーと古書街と

【英学徒の隠れ家日記(2009年1月10日)より】 青い空と白い雲。寒さの厳しい日は、富士の雄大さが映える。 新幹線の車窓からよく見えるのは冬の時期。富士を見るたびに、東京で学生時代を過ごした父が、「窓に顔を近づけないとてっぺんは見えないぞ」と言っ…