桜咲く

【英学徒の隠れ家日記より】 大晦日は雪。近所の公園の桜は、雪の花で満開だ。 日付が変わり、新しい年になる。去年はいろいろあった(まあ、毎年いろいろあるけれど)。節目の年であったことは間違いないだろう。 ある英英辞典によると、"middle age"の定義…

2009年を送る

研究発表という形で英学史・英語教育史の学会にデビューしたのは10年前。記録によると、次の発表をしている。 「学習指導要領「必修語」の選定基準に関する歴史的研究」(1999年7月18日 第132回 日本英語教育史学会月例研究会・拓殖大学) 「学習指導要領の…

英教史月報236号

日本英語教育史学会の月報236号を発行し、ウェブ配信と郵送を終えた。(最初のページはここ) 今回のEDITOR'S BOX。 『坂の上の雲』がたびたび話題にのぼる(さすが歴史を愛する集団だ)。ついこの間まで「坂の上の」と聞けば「ポニョ?」と笑っていた私も(…

「福島プラン」を追う情熱

週末の東京例会で若い研究者のすばらしい発表を聞いた。 発表者の小林氏は、旧制福島中学で「福島プラン」を体験した人の情報を福島高校同窓会に求めた(同窓会サイトに依頼文も掲載されている)。ここから当時生徒だった方々へのインタビューが実現する。生…

高梁の雲海

賀陽インターから高梁市内へ。この途中で写した雲海の写真が今日の一枚。 先週の土曜日の高梁研究例会。とても密度の濃い、充実の例会となった。 高梁を例会の場所として推してくださった方があり、各地から聴衆が集った。この地の歴史を英学の切り口から語…

月報を終え、高梁例会が近づく

先週後半は日本英語教育史学会月報235号の発行と配信と発送。先月の京都例会の報告と、今度の東京例会の案内と。 東京の前に、高梁での英学史学会支部例会が近づく。12月は楽しい行事で一杯だ。 週末までに、スノータイヤに替えなくては。 ◆◆◆ The Wife 【英…

Book Two

ぎりぎりで原稿を書き終えた。朦朧とした頭でパソコンに向い、次の仕事にかかる。まもなく師走だが、もう走り回っている。 ひとまず終えた書き物だが、これまで集めたものの良さを、十分に分析して伝えることができたか。まだまだだな、の感は残る。でもこれ…

勤労感謝の日

【英学徒の隠れ家日記より】 日頃の労をねぎらってもらったのは嬉しかったが、なにより今日を「勤労の日」にしてもらったことを感謝している。 「元気で留守がいい」派の僕は、留守でないほうがいいときも留守がちなので、ごめんね、と思う。でも今日はおか…

三都物語

日曜日の京都例会は、とても刺激的な2本の発表。どちらも私の問題意識にズバッと響いた。 明治初期の和歌山に設立された私学校。庄原英学校との共通点がいくつもあり、非常に興味を引かれた。各地域の学校史を研究する会員が団結すれば、全国的な規模での全…

講演会終了、そして京都へ

先週末、庄原英学校設立125年記念講演会を終えた。人前で話をすると、後から後から「こうすればよかった、ああ言えばよかった」と反省ばかりだが、今の私の研究の一端を多くの方々に聴いていただく機会が与えられたことに、心から感謝したい。 私の研究対象…

ニューズレターと月報と

このたびの週末は学会広報物の発行に追われた。 ◆ まず、日本英学史学会中国・四国支部のニューズレターNo.60。この号の表紙ページとバックナンバーは、会のウェブサイトから閲覧できる。 2003年の夏にこの役目を受け継ぎ、No.35から担当しているニューズレ…

更新が滞っていたら、忙しいんだな、と思ってもらえると嬉しい

と、いうことを、ずいぶん前に書いたことを思い出した。 後期が始まり、毎日の授業に追われていることに加え、今年の秋はことのほか「公務多忙」の日々が続く。忙しさを楽しむアクティブな時間もあるが、気が乗らなくて限りなく怠惰な時間も多い。ムラばかり…

立ち上がろうとするとき

【英学徒の隠れ家日記より】まあ、いろいろあるわけだけれども、自分の居場所の確認をしながら、少しずつ、もそもそ、ごそごそ、やっています。 すっきりとした懐かしい味わいを飲み干し、ボトルの美しさを片隅に納めた今日の一枚。 読んだり飲んだり、心地…

英教史の月報と中秋の名月と

日本英語教育史学会の月報233号を発行し、ウェブ配信と郵送を終えた。学会ウェブサイトは、ここ。 今回の「Editor's Box」は次の通り。 初めて例会を開催した県立広島大学の広島キャンパス(大学名に「県立」を忘れると別の大学かと思われるのでご注意)、前…

JOFK 1928

JFKではない。「JOFK」はNHK広島放送局ラジオ第一放送のコールサインだ。 日本放送協会広島放送局の放送開始が1928年(昭和3年)の7月。この年から、ラジオの英語講座が始まった。写真はそのテキスト。 『JOFK English Text-Books Primary Course II』(英語…

本に関することばの英和辞典

写真は、小河次吉著『英和圖書及圖書館語彙』丙午出版社, 1927年。金沢工業高等学校の図書館員である著者が、図書館や出版など、本に関する述語を集め、解説や訳語をまとめた英和辞典。本を愛する人の地道な作業が結実した書だ。 ふだん何気なく目にしている…

広島例会から1週間

日本英語教育史学会9月例会が終わって1週間。2004年春の例会から数えて8回目、広島での開催は恒例となったが、今回は初めての会場。例によって心配性はいろいろと神経を使ったが、杞憂に終わる。多くの参加者を得、なごやかな雰囲気の中、充実の研究発表が…

ロングマンス第参リードル独案内

写真は、蒲生 俊(訳)『ロングマンス第参リードル独案内』戸田秀直、明治21年11月(第6版、明治26年8月)。この書を著した蒲生氏は、ロングマンの第1〜3巻の独案内、4巻の直訳、ほかにウィルソン第1・2巻の独案内、ナショナル第4巻の直訳をてがけた人…

一人も好きで

久し振りに東京へ出掛け、2日間を調査と資料収集に費やした。 訪れた大学図書館では、事前に閲覧希望を出しておいた書物の保管の丁寧さに感動した。また、かつてそこで教鞭を取った宮田幸一氏の著作や旧蔵書を手にする機会に恵まれた。 宮田氏の言語への深…

国語世論調査

文化庁の国語世論調査の結果がネットやテレビで報じられている。こういう話題に接すると、それが「今どきの若者は・・・」という論調になっていないか心配になる。 http://www.47news.jp/CN/200909/CN2009090401000636.html 調査対象となる慣用的な表現は、…

独案内のフレーズ感覚

独案内は「英語の各単語に訓を施して、返り点によって語順を示す訓点本」(森岡健二『欧文訓読の研究』1999)と言い表されることがある。各語に訳語を付し、訳す順を表す数字が与えられているのだ。 写真の独案内は、藤澤平司訳『ニューナショナルリードル第…

HiSET月報232号

日本英語教育史学会の月報232号を発行し、ウェブ配信と郵送を終える(表紙ページはここ)。先週末から連日、講習、学会、集中講義、研究成果発表会などが続き、その合間を縫っての作業となった。ウェブ配信の後、郵送までに少し時間がかかり、会員の皆さんに…

年表を繰る

慶應義塾福澤研究センター(編)『創立百二十五年 慶應義塾年表』慶應義塾, 1985. 1858年に開塾して125年の歩みを記した年表。この年表は、Googleブックスで閲覧・検索が可能だが、パラパラめくって時代を行き来するため、本の形をした紙版を入手した。 ウェブ…

復刻版あれこれ

お盆の今週は、夏休みの本番らしく、「帰省」や「行楽地」といった言葉が様々なメディアを飛び交っている。 そんなこととは無縁の僕は、前期末試験を終えたばかりの先週末から、緊張する仕事の毎日を送っている。若い人たちや、大先輩の方々を前に話をする機…

ニューナショナル第二リードル独案内

ここ数年、ずっと追いかけている森修一氏による独案内。このブログにもたびたび登場する。 第二リードル独案内の巻末に「正誤表」のある初版が確認されているが、その箇所がどう修正されたか、異なる版によって確かめたいと思い、いろんな版を集めている。 …

平和を思う日

Yes, we can. とともに、この日は、 もっと身近な「平和」を考える大切な日でもある。 世界のことを語るとき、 同時に自分の心の中や、 すぐ近くの日常の平和について、 ちょっと考えてみたい。 64回めの原爆の日に、そんなことを思った。

ウヰルソン氏第二リードル独案内

西山義行(挿訳)『改正増補ウヰルソン氏第二リードル独案内』加藤鎮吉・亀井忠一(明治18年8月) 当初は2分冊であったものを合冊したもの。近代デジタルライブラリーには、それぞれの分冊がある(第1冊・第2冊)。原著はここ。 明治期の英語教科書として用…

夏薊忌

備北丘陵公園近くの草地で見つけたアザミ。まるで敬愛する先輩が、近くで見守ってくれているかのようだ。 4年前の葬儀の後、いつものように一緒に飲んでいる心地だったのか、新幹線を乗り過ごしてしまった。最終列車でなんとか徳山から引き返したことを思い…

中国四国ニューズレターNo.59

英学史支部例会の様子を伝えるニューズレターを発行し、ウェブ配信と封入を終えた。第1面はここ。3ヶ月に一度、1月、4月、7月、10月の月末を目途に発行しているが、なかなか予定通りにいかないのが辛いところ。年2回開催される支部の研究例会を挟み、…

必須語彙と例文

ブログの名前を変えて以来、これまでにも増して、地元ゆかりの資料が思わぬ形で手に入ったり、閲覧する機会に恵まれたりしている。 写真はお世話になっている古書店のウェブ目録でたまたま目にし、手に入れた『必須國文語彙類例』(縣立廣島第二中學校國漢科…